黒い天使 白い悪魔 ?

鴇色猫  2007-06-05投稿
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「ルイー!ご飯だよ〜!!」

「はーい!」


寝床から這い出して、服を着替える。
今日もスッキリと目が覚めた。

「よしっ」

洗顔その他を済ませ、鏡を片手に背中を確認する。

翼は見えない。

1階へと階段を降りて…

「おはようございます!」

「あぁ、おはよう。」


朝食の支度を手伝う。

「ルイはほんとに良い子だねぇ。天使みたいだ。」

「(一応天使だけど?)
ありがとうございます。でも、お世話になってるんだし、これくらい」

コポポ…
紅茶を淹れる。

「当然ですよ」

「ありがとねぇ。」


人の良さそうな初老の女は、目を細めて喜んでくれる。

こんな風に笑ってくれる人、今まで居たっけ?

「さ、食べましょ。」



僕は今、下界に居る。
人間が一杯居る世界だ。
 天界から魔界に追放された僕だけど、魔界はやっぱり、僕にとって暗すぎて、何も見えなかった。
おまけに、遠くの方から悪魔らしき声が一杯聞こえて…

(兎に角、少しでも明るい所へ…!)

よろめきながら、微かな光へと歩いていった。

そして辿り着いたのが、下界。

天界は純粋な光。
魔界は純粋な闇。
下界は双方の混濁。

だから天使が魔界に行けば盲目と同じ。だが下界ならば、少々薄暗くとも、目は見える。

そう教わった。


僕は光と闇の境目を見つけ出し、そこに逃げ込んだ。というワケだ。



「ルイ、ちょっとそこのバターを取ってくれるかい?」

この人は、下界に来て途方に暮れていた僕を拾ってくれた人。
名前は『マリア・フェンベル』

僕を本当の子供みたいに可愛いがってくれる。



朝食の片付けをしたら、学校。

「行ってきま〜す!」

「気をつけてね。」


この暮らしにも、大分慣れた。



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