いきなり、だったから
自分が死ぬなんて想わなかった。
力を入れても
腕は動かない。
聞こえるものは、サイレンの音。
でもこれで、よかったのかもしれない。
生きていくなんて、簡単なようで難しい事柄を
しなくて
済むのだから
やっと
君の所へ行ける。
気付いた所は
病院の一室。
安堵とも、落胆ともいえない感覚
コンコン
「入るよ?」
聞き覚えのある声に、僕は胸を弾ませた。