あの人は何を思い笑うのだろう
あの人は何にうちひしがれて泣くのだろう
煙草の煙の向こう側に
たくさんの人の人生が見えて
あたしはひとり涙を堪える
親も兄弟も家庭も
何の後ろだてもなくひとりきりの
信じられるのはこのファーストフードの椅子の温もりだけ
自分を守るためだけに生きてきた
心の奥底にある
あの柔かな感じだけを
忘れちゃいけないと
いかなくちゃ
あの明るい陽の下は
いつも気を許す事のない
野生の世界