朝目が覚めて自分が昨日からボーっとしている事を僕は初めて意識した(ナオはただの友達…)そう考えるしか無かった、今の考えは、絡まった糸を一本一本解きほぐすと言うより、糸を乱暴に引っ張っているという方が正しいかもしれない。
「ナオはただの友達…。」
誰に聞かせることなく、僕は呟いた。
「カノ!早く学校に行きなさい!」
下の階から母の声がする。僕はしぶしぶと家を出た。
学校に着くといきなりナオと顔を合わせてしまった。
「カノ、おはよー。」
いつもと同じ、ノー天気で眠そうな声…。
「おはよー。」
僕はいつも通り挨拶をした…つもりだが意識してしまって、まともに目を合わせることが出来ない。(どうしたんだろう?)僕は心の靄等を気付かない振りをしてそう思った…と言うよりそう考えないとおかしくなりそうだった。