「おっはよう!ルイ!」
「おはよ〜」
学校では、僕は転校して1週間目って事になってる。
「なぁなぁ!さっき聞いたんだけどよ、お前に続いてまた転校生が来るんだってよ!!」
「ふ〜ん。どんな人だろ?楽しみだね!」
ガララ…
担任のベィルス・チャップマン先生が教室に入って来た。
「さて!今日はまず、新しいクラスメイトを紹介しよう!ほら、入って入って!」
皆が扉に注目する。
仄かな期待と好奇心。
ガララッ
入って来たのは、浅黒い肌に長めの黒髪、金色の瞳を持つ少年だった。
「ニード・シェルマンです。宜しくお願いします。」
「それじゃあシェルマン君はこの列の一番後ろね。」
ニード・シェルマンは僕が座っている脇を通りすぎ、2つ後ろの席に着いた。
何気無い
本当に何気無いはずの動作。
なのに、彼を見ていると、冷や汗が背中をなぞる。
興奮。ひやりと冷たい。喉を通る風。新しい感覚。
悪い事?それが何だ!愉しめればそれで良いんだッ!!!!
ガタッ
「はっはっはっ…」
息が上がる。
「ルイ?どうした?気分でも悪いなら、休んだ方が…」
「だ、大丈夫。なんかクラッとしただけだから。」
視線。射抜くような。探るような。後頭部に感じる冷たい熱。
ゆっくり振り向く。
目が合った。
「ッ!!」
また来た。あのおかしな感覚。危険な感情。破壊衝動。
その声も目付きも一つ一つの動作さえも
全てが流れ込む。僕の全く知らない何かが。
間違いない
あいつは悪魔だ!!!