「は?お前はそんなことの為に俺をここまで引っ張り込んだのか?」
俺はソファーの手添えに肘を付き、不機嫌オーラ全快でミネをにらみつける。
話にならない。
俺はそんなオママゴトに付き合ってられるほど暇じゃない。
明日食っていくためにバイトに励まなきゃならんのだよ。
「怒んないでよ。別に無償で雇うって訳じゃないんだから」
「自給いくらだよ?」
「………」
ミネは何か考え込んでいる。
少なくとも、こんな娘っ子の遊び相手するだけで食っていけるだけの金が支給されるはずはない。
そんな馬鹿みたいな労働対価があっちゃ社会以前に地域すら―――\r
「…自給とかめんどくさいから、月80万くらいじゃダメ?」
俺は思考を停止し、ミネのほざいたセリフを頭の中で復唱する。
80万・・・・・。
エコーがかかる。
「お前、本気か?その金だってお前が払うわけじゃないんだろう?お前何歳だ」
俺は冗談だと思って笑いながら答える。
「16よ」
やっぱ養われの身じゃねぇか。
これもゆとりが生んだ個性なのか?
「だいたいそんなのあんたは気にしなくてもいいじゃない」
ミネも薄笑いで話を返してきた。