「おっじゃましまーす」 と言うマリの声が部屋に響き渡る。「まっ、待てよ!まだ何も言ってないだろ?」まぁ当然いきなり私はエリの生き別れの妹です。と言われても、「はいそうですかと」受け入れられる訳も無い。
「おっ、おいだから待てって」
「...................」「って無視かよ」
マサキの話は完全にそっちのけで部屋の中を勝手に捜索し始めた。
「へぇーいい部屋だね。つい最近迄はここにエリがいたんだ?あれ?ここは何の部屋?」
「あっ、そこは」
ドアを開けるとその部屋は二人の寝室だった。
「大きいベットだね??ねぇ、ここでエリとHしてたの?」当然の事だけど 「そうだよ」って言える訳も無い。と言うよりまだ出会って何分も経って無いのに何て事聞いてくるんだ。間違いなくエリならいきなり人にこんな事を聞いたりはしない。わかってはいたけどやっぱりこの子はエリじゃないんだと改めて思わされる。「って、おまえエリの妹だって言ってるけど何処にそんな証拠があんだよ?」マリの顔が強張った!「......じゃない!」
「えっ?」
「私はおまえじゃない!私にはマリって言う名前があるの!マリって呼んでくれる!」
「はっ、はい」としか言えなかった。「私がエリの妹なんて証拠はこの顔だけで十分でしょ?ってか私疲れたから今日は寝るね。オヤスミ」
バタン!!ドアを閉められてしまった。玄関を開けてから10分も経たないで俺とエリの寝室を占拠されてしまった!結局マリの事は何もわからないままだった。
エリなのにマリ!相変わらずこの不思議な出会いに戸惑うばかりだった。