〜転校生は注目の的〜
「真宮…なぎさ…」
「んッ?」
「いや、何でもない。こちらこそよろしく。」
「ああ!」
なぎさは誠に満面の笑顔を見せた。
(この二人結構、合うのかも…)
憐は誠となぎさを見てそう思いながら頭をタオルで拭いていた。
「お前、いつまで濡れたまんまでいるんだよ。さっさと着替えてこい!」「分かってるよ!」
そんな憐を見ていた誠は憐と目が合うとまたフイッと視線を逸らした。
(感じ悪〜(怒))
体操着を持って教室を出て更衣室に向かった。
着替えが終わった頃には一時間目が終わっていた。
教室に戻ると誠の姿はなかった。
「あれ?なぎさー転校生は?」
「んー?なんか授業つまんねぇってどっか行ったぜ。」
「ふーん…」
「何?転校生の事、気になんの?」
「別に…
なんか感じ悪いなぁーと思って…。」
「そぉかぁ〜?」
「そうだよ!てか、なぎさにだけ感じいいし。」憐は誠の態度が気にくわなかった。
「クラスのみんなも憐と同じ事、言ってたぜ。」
「ふーん…」
そう。クラスや学年では誠の話題で持ちきりだった。髪の毛の色が金髪だとか、感じが悪いとか、不良ッぽいとかみんなの注目の的だった。
つづく