1999年1月1日
東京都国立競技場は、晴れていた。例年ならば、新しい新年を楽しむはずが、一部の人には楽しめずにいた。
勝っても負けても横浜フリューゲルスは解散が決まっていた。
白と青のユニホームは、今日で見をさめになる。
僕らはユースのウインドブレーカーを着てホーム側に座っていた。
清水エスパルスとの決勝が開始された。
大歓声の中、フリューゲルスはいつものプレーが出来ずに清水に先制点をあげられた。
後半もこのままかな。
一部のサポーターからも少し不安げな声も聞こえた。
しかし、僕は信じていた、必ず勝つと。
後半になると選手の目が違っていた。一人一人が後悔のないようにボールを追い掛けた。
その姿は僕が初めてフリューゲルスと試合をした時と同じように戦っていた。
同点ゴールが決まり会場はフリューゲルス一色になり、そしてFW吉田選手の逆転ゴールが決まった。
それからはぼんやりとしか覚えていない。
試合終了のホイッスルとともに僕は席を立ち、家路へと向かった。友人たちは祝勝会場まで行こうと誘ったが、僕はこう呟いた。
あのホイッスルで俺のサッカー人生は終わったんだよ。
これからは普通の大学生として生きる。またどこかで会おう。と、
僕は喜ぶフリューゲルスの選手を見つめ、国立競技場を後にした。
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