「よく言うわね。この前あんな親しげに話してたじゃない。」と、みかん
あれが親しげに見えるんだったら、きっと世界大戦は国をあげてのじゃれ合いに見えるのだろうな。
「は?そんなことあるわけないじゃない!ばか?」
地味に傷付く。
「あのね、あの子は知らない人に何を言われても無視するの。」
実に嫌な性格だな。
「だからあそこまでならないのよ普通。」
そうなのか?
みかんが口を開いた時「座れー」と、担任の近藤が入って来た。
無駄に体つきが良く、ボディービルダーのそれを思わせる筋肉だ
「それではHRを始めるぞ、いよいよ明日から楽しい授業が始まる。」
ブーイングの嵐。「うるせえぞ!ゴホン」わざとらしく咳払い。
教科書などの鞄の錘にしか使い道のない物を配り終え、
「誰か西沢の家に教科書を届けたい奴はいるか?」
いる筈が無い。ただのお人好しか馬鹿だ。
「はい!潟岡君が行きたそうな顔してます!」
してねえよ。ってか誰だ!決まってる。みかんの野郎だ
「いいじゃん!」
よくねえ。全然よくねぇよ
俺は行かない‥と言おうとした時には、机の上の錘は二倍の重さになっていた。
くそっ
下校のチャイムが鳴り響く。
鞄に錘を詰め校舎を出た。