娘を救出した戦士には、オースに伝わる光の魔法の加護によって、永遠の命を授けるというのだ。
当然ミネの若者達も、奮え立った。しかし中でも、鍛冶屋の一人息子、赤い髪の青年ファルの意気込みは凄まじかった。彼は、永遠の命には興味はなかったが、正義感と、多少の好奇心のみで巨人の山への厳しい旅を望んだ。長老とファルの両親は、ファルのその純粋な心と勇気を讃え、彼の旅を承諾した。
ファルは剣と弓、そして馬術にも長けた優秀な戦士だったが、純粋さ故に周りが見えなくなるのが唯一心配な点だ。
旅立ちの朝、父から、彼自身が魂を込めて鍛え上げた銀色の剣と、抱擁を、母からは彼女が常に身につけていたペンダントと、キスを、友人達からは弓と矢を、そして長老からは魔物と戦うためのアドバイスを受け取ったファルは、愛馬のポリッシュに跨り長く厳しい旅に出発しのだった。