「不満です。」
高崎美玖が呟く。
「何が。」
その対面に座るは笠木広人。
「同じく不満です。」
さらに続けるは間宮鈴子。
「だから何が。」
広人は訳も分からずに嘆息する。
「カナちゃんは何気に絡んでたのに。」
「作者の気紛れだ、しょうがない。」
落ち込んでいる美玖に掛ける言葉は広人には思い付かない。
「私は匠の幼馴染みとしていろいろあるはずだったのに。」
「普通すぎたからな。由良先輩の方が面白かったし。」
鈴子にも同様である。
「ヒロ、あんた誰の味方?」
「そうよ笠木くん。」
目を細める美玖と睨む鈴子。
「作者の味方だ。一応主人公だし。」
はっきりと言った広人に対し、美玖は両手を軽く握って近付く。
「待て、アクションシーンに移行しようとするな。文字数が足りなくなる。」
「前後編に分ければ問題無いわよ!」
一言叫んで、美玖は広人に飛び掛かった。
「そんな気力は無いと思うのでそんなことにはならないでしょうが。」
鈴子は一人、広人が一方的に殴られるのを眺めている。
「私はお気に入りのはずだったのに、すぐに退場させられたしね。」
何故か他校の生徒が入ってきた。
「あ、どうも。要未優です。」
さばさばした感じで笑う未優。
「あぁ、私よりもキャラの立っている要さんですか。」
「小さな殺気を感じるけれど、まあいいか。…ところで日下部さんはいないのかい?」
未優は以前知り合った女子の姿を探す。
「あぁ、カナリは田舎に帰ってる。そもそも、なんで時制が夏休みなのに俺達学校にいるんだ?」
多少ずたぼろになった広人が参加する。
「アクションは割愛かい?」
「こんなあとがき的な所を長編にしてしまってもな。」
美玖が疲れた様子でやってくる。
「というかそんな長くなる程立派な動きは出来ないわよ。」
「こらミク。そろそろ字数足りなくなるから無駄話は挟むな。」
「笠木くんもね。」
鈴子が最後の台詞を言い終わる。
「…間宮は今ので最後か。」
広人は手を合わせた。次は広人の番だが。
「そして誰もいなくなった、てのは避けたいわね。」
「そうだね。悲劇でもあるまいし。」
美玖も未優も黙った。
では、作者として。
読んでくださってる方々、ありがとうございました。
強引な終わりですが、こちらのシリーズは一応の完結です。
本当にありがとうございました。