繁華街から少し離れたホテル街で車を止める。
恥ずかしさのせいか女の私が先を歩く。
一つのホテルに目がとまり、そこに入って行く…。
バックを置きベッドに座ると顔が近づいてきた。
何度かキスをして………緊張と罪悪感で腕をすりぬける。
「お風呂入れるから」
なれたふりをしてお風呂にお湯を入れる。
男はテレビをつけ、煙草を一服。私は煙草を3年前にやめた。
そのうちお風呂にお湯がたまり男が先に入る。私は出てくるのを待って後から入った。
少しピンクがかったガウンをまとってベッドに行くと、そこでする事はやはり想像していた事…もちろん一つしかない。
想像していなかったのはやけに可愛い顔をして見つめる事。そして背中いっぱいの龍と虎の入れ墨。
「…何処にお世話になったの?」
お店にはもちろんそっち系の人が来る。
「何処にも入ったことないよ。」
――うそだ。私が引くと思って嘘をついているのだろうか?
「大丈夫だから言って。」
何度も問うが、答えは一緒だった。