夕暮れの日に〜機械の町 その4〜

グレイブ  2007-06-09投稿
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腰に挿してある長剣を引き抜き、二発、三発と跳んでくる弾丸を弾きながら、回りの戦況を探る。


狙撃主は、二人。

通路に対して前後。



弾を避けながら走ってきた来たラトを踏み台に、向かいの建物の一室に跳躍する。

暗い部屋に、一人の男が銃を構えて座っていた。



狙撃用に作られた長身の銃では、近距離の刀の攻撃に対応できるほど小回りは利かない。

「なぜ僕らを狙うんです?」


返事は無い。





首に突きつけた刀に力を込めながら、

もう一度だけ聞いた。




「なぜ、僕らを撃ったんですか?」


少し間をおいて、ぼそり




「この世界で一番うまい肉は、なんの肉だと思う?」







無言のままの僕に向かって、男は話しだした。












人口100人ほどの、小さなまち。
機械技術が発達し、生活の全ては機械まかせだった。
悪天候が続き、町の人口は少しずつ、でも確実にへっていく。
機械に頼りきりだった住人に、食物をつくる知識はなかったのだ。

とうとう人口が10を切ったある日。

一人の青年が自分の妻を食べた。

それから、また一人。
また、一人


向かいにすんでいた人も、自分の夫を食い殺した。一人

また一人。
のこり三人になった時。

そのうち二人はそとの人間をたべる事にした。

残りの一人は餌にするため、捕えられた。


よく晴れた次の朝。
まちに待った旅人がやってくる。

男を生きたまま解体し、二人はその悲鳴を堪能しながら

店の機械に入れた。


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