夕暮れの日に〜機械の町 その5〜

グレイブ  2007-06-09投稿
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「その旅人が、僕らなんですか?」
男が頷いた直後


「ギャァァァアア」


向かいの建物から聞こえる、女の悲鳴。


「残りは、貴方ひとりですよ。」



ただ淡々と、言葉を発する。


同情なんて

できるはずがない。



もしかすると自分が、こうならない保証なんてどこにも無いのだから。




男の言葉を待つことなく。僕は刀を振るった。






キィンッ





落ちる銃芯。



「どこにでも行ってください。」



踵をかえし、部屋を後にする。





カチンッ





あたりに響く銃声。



先程の部屋の中から



鮮血が飛び出した。



こうなるって、

わかっていたから。


ほんの少しの、罪悪感。



でもそれもすぐ消える。


そろそろラトを迎えにいこう。これ以上汚い血をたべさせる訳にはいかないから。

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