「いいよ、いいよ。お家の人、留守で居なかったから放っとくわけにもいかなかったんだし…」
「ほんと…ありがと…」「うん…」
菊は何を話していいか分からなかった。
「何か…久し振りだな。二人で話すの。」
「うん。そうだね。」
一ヶ月くらいは話したりしていなかったから本当に久し振りに感じた。
そして、慎二の笑顔も一ヶ月前とは違って大人びた優しい笑顔になっていた。
菊は彼女と何をもめていたのか気になったけど聞く気にはなれなかった。そんな菊を見て慎二は大人びた笑顔を向けた。
「彼女とは別れたッ。」
「えッ!?…何で?」
「だって、菊とケンカした時、菊言ったじゃん…。俺だって同じように事してるって…。」
「……。」
「俺、菊に言われて何で好きでもない奴と付き合ってるんだろ?ッて初めて思ったんだ。
だから、中途半端な気持ちで付き合えないと思って彼女とは別れたんだよ…。」
「そうなんだ…。
なんか慎二、大人になったね。」
「ばぁ〜か!前からそうだよ!」
いいや、すごく成長したよ。慎二。
菊はそんな事を思いながら笑う慎二を見つめていた。
「菊は…どうなんだよ?」
「えッ…。」
思いがけない質問に菊はすごく戸惑った。
つづく