瑞枝「シホ…シホ=コンノ、彼女ならこの病棟で安静にしているわ。」
祐希「…だから!」
瑞枝「大丈夫よ安心しなさい。ココへ来る前、そこへも寄ってきてるから。」
女は至って冷静でチェックボードの向こう側から祐希をみる。
祐希「俺はアンタ自体が信用できねぇ。すぐ俺を連れてけ!」
瑞枝「おちつきなさい。まぁ、しょうがないわね、大概みんなそう言うもの。そんな状況じゃぁね、でも今すぐにはいけないわ。大体まだアナタ動けないでしょう?」
再び視線を落とすと呆れたようにいう。
祐希「…ッ」
おまえらのセイだろうが。と思いつつ、動かない自分のカラダに苛立ちながら白い天井に向き直った。
病室は沈黙し、一呼吸おいて、ミズエが口を開く。
瑞枝「―彼女、シホ=コンノのことも思い出したのなら、ちゃんと記憶の整理が付いたのかしら?…」
祐希「まだわけわかんねぇことだらけだけどな。」
不貞腐れたように答え、
その女を警戒するように睨み付ける。
瑞枝「…ハァ…。睨まないの。いい?とりやえず状況だけざっとはなすわ。」
女は腕を組んで壁に寄り掛かかった。