放課後…
「本当に来てくれたんですね。」
結城くんは嬉しそうに言った。
話がうますぎる…。正直、まだ、疑っている。高3を勧誘する意味がわからない。
それでも、メールした…呼ばれた…来た、この部室に…。
「セイ、あんた凄いじゃん。先輩を勧誘なんて、どうやったのよ?」
結城くんの隣の小柄な女子が結城くんを小突いた。
「いや、僕は別に…」いや、結城くん、目で助けを求められても…
「私、1-5の四葉 葵っていいます。一応、卓球部のマネージャーやってます。先輩には本当に感謝してます。」
その女子は結城くんをかき分けて、丁寧に自己紹介をしてくれた。
「よろしく、と言いたいけど…正直、あまり状況が飲み込めてないんだ。なんで僕は勧誘されたのかな?」
本心だった。
「それは…助けて欲しいからです…」
結城くんは真剣に言った。
「今、卓球部は部員が必要なんです。だって…」
「何をしている。」
後ろのドアから重い声が僕たちを突き刺した。