十分すぎる程のキスと愛撫をうけ、優希の意識は朦朧とする。
「優希、いい?」
航の問い掛けに、うなずいて答える。
航は、ゴムを慣れない手つきでつける。
やっと、一つになれた。
「ずっと、こうしたかった。」
そう言うと、優希は、航の頬に触れる。
「俺も。
優希が好きで好きでたまんない。」
二人は朝方まで、何度も抱き合った。
朝、6時。
「航。起きて!」
遠くの方で聞こえる愛しい声。
「ん〜…優希ぃ。」
航は、優希の腕を引きベッドに引きずり込む。
「こらっ」
げんこつ。
「…はぃ」
「起きて。ご飯食べて、少し勉強しなきゃでしょ!」
航は、トーストをかじりながら、優希の仕草の一つ一つを愛しく見つめていた。
「何時に出る?」
優希の問いに、ふと我にかえる。
「試験、10時からだから、8:30位。優希は?」
「んじゃあ、一緒に出る。」
シャワーを浴びて目を覚まし、一時間程、勉強して、2人は部屋をでた。
途中の駅で、航は乗換えになる。
「テストと合宿頑張ってね。」
「ん。帰る時間できたら、すぐ連絡する。」
また、触れたくなるのを堪え、航は微笑む。
「うん。待ってる。」
優希も笑顔で見送る。
また、日常に戻る。
それでも、昨日までの、さみしい毎日とは、違っていた。
航が、サッカーに夢中になっていても、自分の事を想ってくれている。
だから、会えない時間も乗り越えられる。
それでも、やっぱり…
《メールくらい、くれたっていいんじゃない?バカ!!》
たまには、構って欲しいと思ってしまう。
忘れた頃にメールが届く。
《優希、愛してる。》
「…バカ…」
こんな、些細な事で、幸せだと、感じてしまう。
優希は苦笑いした。
終わり☆
最後まで、読んでくれてありがとうございました。
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