毒舌君主[二十]

73  2007-06-10投稿
閲覧数[255] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「…昭久が、よくここの屋上の上でボーってしてるでしょ?」
修がおもむろに切り出す。由香里は静かに頷いた。
「ここの屋上からね、志保が飛び降りた病院が見えるんだ…俺、怖かったんだ…いつかあいつ志保の後を追うんじゃないかって…実際、志保が自殺した数日後に昭久は自殺をはかった…」―志保が死んでからの昭久は正直みてられなかった。生きていく意味がわからないって感じで無気力で店も休んでた。
ある日、心配で昭久の部屋を訪ねたら、返事がない。心配になって大家さんに合い鍵で開けてもらって中に入ったら、案の定、変わり果てた昭久が倒れていた。医者に出してもらっていた精神安定剤を大量に服用したんだ。
救急車で運ばれて一命は取り留めたんだけど、俺はこのままじゃいけないって思った。だから昭久に気休めを言った。
「昭久、まだ死んじゃだめだ。お前まだやらなくちゃいけない事がある。―あの約束を果たさなきゃ…」

続く

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 73 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
オーガニックハーブで
女子力UP↑↑


▲ページトップ