ずっと、好きな女がいる。
高校1年で同じクラスになって、気の合うグループでいつもつるんでいた。
3年になった今でも、気になって気になってしょうがない。
けれど、アイツには男がいる。
ついこの間、バスケ部の橋本と別れたと言っていた。
アイツはかなりモテる。
スタイル抜群。
成績優秀。
明るくて優しい。
笑顔がとびっきりかわいい。
まだまだ、たくさんある。
朝、たまに同じ電車で見掛けると、ドアの側に寄り掛かりウトウト居眠り。かわいい寝顔。
好きな食べ物は、白いごはん。
しかも、見掛けによらず大食い。
好きな色も、好きな歌手も知ってる。
友達としてなら、ずっと、壊れる事なく、側にいられる。
ずっと、そう思っていたから。
だから、気持ちを伝える気はなかったんだ。
なのに…
卒業しても、たまにはみんなで遊ぼうね。…なんて、アイツが言うから…
気持ちばっかり焦って、空回りして…
先走ってしまった…
「卒業しても、ずっと一緒にいて。」
そう、素直に気持ちを伝えられてたら…良かったのに…
身体ばかりが、素直に動いてしまった…
若さってのは、恐ろしい…
それでも、アイツは、俺を受け入れてくれたから、俺は、嬉しくて嬉しくて、たまらなかったんだ。
そして、今度は、気持ちを伝える事に戸惑った。
でも、アイツは、俺の横で、いつも微笑んでいてくれる。
俺は、ますます、アイツにのめり込む。
もう、アイツなしでは、生きていけそうにない……