ちょ、ちょー待って？
うちが何したん？
ただ呆然となる。
｢何言ってるんだよ…｣
孝志が彩に聞き返した。
｢だって、あの人が来てから和也の態度がおかしいんだもん。阿部さんの事は誉めたおすのに私の事っ、けなしてばっかり！！｣
｢落ち着けよ…｣
孝志が彩の両肩を支える。
(うちのせいかよ…)
しょうみ、そう思った。
｢今日だってあんな風になっちゃうし…｣
泣きそうになる彩。
少し間が空いて、思う事があったんやろう、また口を開いた。
｢もしかしたら…あの人…、影で和也の事誘ったりしてるのかも！｣
……は？
もう、目が点になってまう…
｢いい加減にしろ！！｣
静まり返った窓の向こうで、孝志が怒鳴りあげた。
彩もうちも目を見開く。
｢沙野子さんが、そんな姑息な事する訳ないだろ！おかしいのは彩の方だよ｣
そう言うて、戸の方に向かって来た。
咄嗟に隠れようと思って、うちはしゃがみ込んだけど孝志の開けた戸にあたってもうた…(汗)
孝志は無言で自分の鞄とうちの荷物を取りに戻ると、しゃがみ込んでたうちの手を引いて廊下を歩いた。
うちも何か、声かける事出来んくて孝志の背中をずっと見て歩いたんや…。
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