続5 両手 掴み取る何か

 2007-06-11投稿
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あたしは高校もそこそこに家を捨てた。
これでも当時のあたしは彼等が仲良くなることが夢だった。儚い夢だった。
中学時代は勉強もやった。唯一心のよりどころだった管楽器演奏で海外の話もあったが先生が家に来て彼等を説得すると熱く語ってくれたが家に先生が来て物の五分であたしのよりどころは消えた。
殴り追い返すことしか出来ない彼等に愛想が尽きた。子供の希望をそういう方法でしか潰すことが出来ないのだ。
首を絞められたことも階下へ突き落とされたことも川へ投げ込まれたこともあたしの体には今も傷として残っている。
彼等を少しでも仲良くさせたいと幼心にかすかに思っていたが自分を生かす術を知るとそれは憎しみに変わり実際に自分が彼等の本当の子供でないと後に知った時はさほど傷付かず納得さえ感じることになる。
ただあたしの欲求は異常なほど「家庭」や「家族」に向くのは言うまでもない。



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