風呂から出てきたユカリは、綺麗に何も残っていない皿を見て喜んだ。
「全部食べれたのね!良かった。」
「ごちそーさま。」
「お粗末様でした。」
簡単に後片付けをしてからユカリが戻ってくる。
手にはさっき買った缶ビールと缶酎ハイを持って。
「かんぱーい!」
ハイテンションなユカリと同時に、一気にビールをあおる。
「ぅめ〜!」
酒は強いほうだから酔ったりはしない。
でもシラフの時よりはやっぱり素直になるっつーか本能に忠実になるっつーか…
「今日はありがとう。すっごく楽しかった。」
そう言って微笑むユカリに、触れたくてしょうがない。
「あっそ。でも、今日はまじで珍しいことしたよな。ベタなデートっつーか。」
「普通のことよ。」
ユカリが吹き出した。
「………。」
ふぅん。
ユカリにとっては普通なんだ。
俺には………ちょっと特別だったんだけど。
思わず黙り込んだ俺の隣に座るユカリ。
見つめてくるけど、見てやんない。
反対側に顔を向けると、吐息だけの笑いが聴こえた。
笑ってんじゃねぇよ……
ムッとして振り返った瞬間―――\r
唇に広がる甘い感触。