私はあの無愛想で意地悪そうな男と、結婚を前提とし付き合う事となった。
その男の名前は、山本恵介。私より3歳年上の21歳。公務員。山本旅館の孫である。
背が高く端正な顔立ちをしている。しかし無愛想である。
私にとって人生初の恋人がこの男だと思うと、何ともいえない気持ちになる。
小説のような美しく素敵な恋愛に憧れる私の夢は、18歳にして早くも崩れたような気がした。
数日後、私はあの人と会う事になった。
私は両親から散々、『暴言、逃亡禁止令』をうけた。
そして、待ち合わせの場所へと向かった。