今までずっと人を信じず生きて来た。いや、違う。人は信じれば裏切られる分かってから、ずっと誰一人信じずに生きて来た。
友達や家族、大切な人はいた。でも、信じる事はなかった。
人の事で悲しむ事も、人の事で怒る事もなかった。
もう一人の偽りの自分を作って、相手を信じない事が自分を守る唯一の盾だったんだ。
それを間違ってるとは思わなかった。
人は人を裏切る生き物で、人は自分が一番可愛いと分かっていたから。
でも、初めて・・
人を信じなくなってから初めて、あたしは友達の事で人にキレた。自分でも信じられないくらいに怒った。
自分自身でも「何で??」そう思った。だけどあたしの中の怒りは収まらなかった。
今までのあたしは面倒な事には関わりたく無かった。自分に害が無ければどうでも良かった。
だけど・・
確かにあたしの中で何かが少しづつ変わってた。
自分を捨ててでも守りたいモノ。
少しづつ、少しづつ、誰かを守りたいと・・
あたしはまだ人を信じたかったのかも知れない。
初めはまた傷つくだけなのにって思った。
でも、それでも人を信じたいと思った自分は嫌いじゃ無かった。
少し自分を好きになれた気がした。