ここはリークと言う、魔法に満ち溢れた不思議な国。
この国には古くから伝わる伝説があった。
それは、もう一つの夢の世界へと行ける「夢の鍵」。
見た者はたった一人だけ。
「はあはあはあ・・」
林の奥から緑色の髪の男の子が嬉しそうに息を切らしながら走ってきた。
「はあはあ・・あっ!リア様!!」
緑色の髪の男の子は、立ち止まり息を整えた。
「ルイ??そんなに急いで何かあったの??」
リアと呼ばれた金髪の少女は、レイルの顔を覗き込み、笑いながら問い掛けた。
「実は、今日もレイル様が「夢の鍵」のお話をしてくれるらしいんですよ♪」
「またー??ルイは毎日毎日レイルに「夢の鍵」の話ばっか聞いて飽きないの??」
リアは呆れながら溜め息をついた。
「それが今日はまた違う事らしくて・・」
「違う事??ふ〜ん」
「とにかくレイル様の元へ行きましょう♪」
「ちょっ!!ルイ!!」
ルイは急かすようにリアの背中を押し、また林へと駆けて行った。
リアは仕方なくルイを追い林へと走った。
林の中には一本の細い道だけがあり、高い木々に遮られ、太陽の光は少しも入らず真っ暗で、道の間にいくつものランプがかけられ、道を照らしている。
小鳥の鳴き声や、草木の揺れる音の中、リアとルイは林の奥へと進んだ。
一本の道を辿ると、小さな赤い屋根の木組みの家が見えて来た。ルイとリアは扉の前で立ち止まると一息ついてから扉を数回叩き扉を開けた。
「レイル様♪リアを連れて参りました」
ルイは嬉しそうに笑いながら、家の奥の椅子に座るレイルを見た。
レイルと呼ばれた赤く長い髪の男はルイに優しく笑いかけた。
「ルイ良く来たね。リアもこっちにおいで」
そう言われるとルイとリアはレイルの前に置かれた椅子に座った。
「レイル、今日もまた「夢の鍵」の話なんでしょ??」
「そうだよ。だが今日はお前達に私の秘密の話を聞かせよう」
「秘密の話ですか??」
「ああ。絶対に誰にも言わないと約束するんだよ」
「分かりました」
「分かった」
リアとレイルは強く頷いた。