焼け地につくと、ライは手を合わせて難しい呪文を唱え始めた。レイルがライから少し離れ見ていると、ライの前には大きな光の円が浮かび上がり、光の円の中からは巨大な龍が勢いよく現れた。
召喚魔法は相当手練れの魔法使いにしか使えない高度な魔法で、召喚魔法でも小さな召喚獣よりも巨大な召喚獣の方が高度な魔法になる。
この若さでライは召喚魔法を使いこなしていた。
「さっ!!レイル行こうぜ」
「うん!!」
ライとレイルは龍の背に乗り、東の端にある秘密の洞窟へと向かった。
普通なら徒歩で1週間はかかる道のりだが、龍に乗ればたった10分程度でついてしまった。
二人は龍から降り、ライが龍に手をかざすと龍は消えていなくなった。ライが振り返るとレイルは呆然と洞窟を見つめていた。
「レイル??どうした・・!!」
ライが洞窟を見ると、洞窟には沢山の決壊符が貼られ、強い結界魔法がかけられていた。
「ライ・・戻った方がよくない??」
「はぁ!?」
「だってこの結界符をよく見なよ!!これ本で見た・・。この結界を貼った人間はこの結界を貼っている間、永遠に生き続けなければならないんだ。自分の体だけが時に取り残されたかのように永遠に変わらない」
「別に死ぬ代わりとかじゃないんだろ」
「甘いよ。何十年ならまだいいけど、何百年、何千年と生きるなんて・・生き地獄だ」
「・・よし!!なら俺達が助けてやろうぜ」
「えっ??」
「だから、この結界を説いて、そいつを楽にしてやるんだよ」
「でも・・」
「俺はやるからな!!」
ライはレイルを置いて、洞窟に向かい洞窟の前に立ち止まった。