時間がないんだ
残されたわずかな空白に
薔薇の花束を
枯れぬよう
葉が落ちぬよう
けれど光をも追い抜く速さで迫ってくる
振り返ったら終わりだ
音をたてて崩れ落ちそうな
そんな過去を
薔薇の花束で葬ってくれ
沈黙の脅迫に
打ち勝つ寛大さを
煩いくらいの軽蔑の視線に
耐え抜く無心さを
もう時間がない
空白が侵されてゆく
このまま 一人で
朽ちてしまおうか
青い薔薇で飾ることが出来たら
不可能を可能にひるがえす事だって
希望を持つことだって
信じる事があったのに
時間がないんだ
時間が……