龍雅はテロリストの中で生き残ったの男からあることを告げられた。
男「私の言う事は詭弁に聞こえるかもしれない…だが我々の真の意志はただ純粋に民衆をそれまでの悪政から解放するための『世界回帰』を実現させたかった。それだけなんだ…」
龍雅は拳を握りしめた。
龍雅「貴様を生かした理由は俺の弾切れと貴様を隊長と判断したしたからだ。だがそんな期待はずれな解答をするとは…」
男は揺らめきながら立ち上がった。
男「ティンジェルや貴様ら左派がこれまでに戦って来た『革命教団』を名乗るものはでっちあげだ…我々とは関係ない…しかしハーツはその詭弁を駆使して己の野望のみが支配する世界を造ろうとしている……」
次の瞬間、龍雅はまた力任せに右の拳で男を殴り付けた。
龍雅「なに貴様らだけが責任逃れみたいな事をしようとしているんだ!!それよりも貴様らには『世界回帰』のもたらす結末が解らないのか!!」
男「な…なんだそれは…」
龍雅「ただ国益を増大させる生産と消費の社会に何の意味がある!?官僚制が何かよい結果をもたらしたのか??ただ決められた事しか教えることの出来ない教師や教育制度は凡人しか育たない!!貴様らはただ新しいものを叩くことしか出来ないくせにその行為を良いと抜かすなど言語道断だ!!」
男の口調は強くなった。
男「では貴様らの造り出した社会は何なのだ?!自由の名の下に強き者が弱き者から搾取することを奨励する社会が正しいトでも言うのか??」
龍雅は言い返す言葉が見つからず歯を噛み締めた。
男は続けた。
男「確かに我々の理想は内部の事情ににより早々に消え去った。しかしハーツらの詭弁によってこれ以上我々の名に泥を塗って欲しくない。だから本意にあらずとも今回のような行動に出た」
そう言って男は右の胸ポケットから小さな何かを取り出して口の中に入れた。
龍雅にはそれが何か見当がついた。
龍雅「?!止めろ!!つまらない事をするな!!」
男「元々、この行為に及んだ時から死んだも…同…然だっ………た」
男はその場で倒れ込み、絶命した。
龍雅はその場に立ち尽くすのみであった。