生まれてきた訳2

生涯設計  2007-06-14投稿
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欲しいものはまだ手に入らない。それは自分のせいなのだろうか?誰に問い掛ける訳ではない。自分に問い掛けてみる。答えは帰ってこない。

父と母が離婚をした時、どちらと暮らすかと問い掛けられた。まだ6歳だった。私はどちらもいらなかった。祖父母がいれば良かったからだ。
母に告げた答えは
「私はどこにもいかない。お母さん元気でね」
母はどのような気持ちで、6歳の子供の私の言葉を受け止めたのであろう。私には姉が一人居る。姉は母の元へ行ってしまった。
6歳の私には離婚の意味など理解は出来なかったのだと思う。
いつの間にか、朝・・・目を覚ましたとき、たまに枕元に置いてあった人形やぬいぐるみは、二度と置かれる事はなくなった。姉も居なくなった。
でもすぐにそれを理解する事は出来なかったような気がする。
しばらくして、父は再婚した。
始めは良かった。9歳歳下の妹も出来た。可愛かった。
しかし、私の居場所は段々と無くなって来た。やはりその時も私の存在を守っていてくれていたのは、祖父母であった。二人がいなかったら私の場所はなかったのであろう。
しかし小学5年生の時、祖父母との別れがやってきた。ここで言う別れは「死別」ではない。元々、義母と祖父母は仲が良くなかったようだ。私は抵抗した。ここへ残ると。それは許されなかった。転校の手続きも終了していると言われ、仕方なくついていく事になった。それからの私には私の事を守ってくれる存在は居なくなった。幼い頃は優しかった父もその頃は違うものになっていた。
何故そこに私は居なくてはいけないのだろうと疑問が沸き上がって来た。
なんで自分はこんなに無力なんだろうと・・・早く大人になりたいと願った。
自分は一体なんなのだろうと・・・。
帰りたかった。全てを包み込んでくれる祖父母の元へ・・・唯一自分の存在を確信できる、愛のある場所へ・・・。

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