もう恋はしない《番外編》?

じゅりあ  2007-06-14投稿
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「すみません…手、引っ張ったりして…」
駐輪場まで来てうちの手を離した。
孝志がしょげてる。
でも、いつもみたいに冗談言うような雰囲気やなくて…うちも首を横に振る。

孝志がポケットから鍵を取り出す。
「乗って下さい」
いつもみたいに、孝志のチャリの後ろに乗る。
お互い、何の会話もない。

彩の事が好きやのにあんな事言うてうちを庇うやなんて。


何でや?


「沙野子さん?」
気付いたら、孝志がこぐのを止めて、こっちを振り返ってる。

「あ、あぁ、着いたんか」

やばい。何か、孝志の顔まともに見れん。

「あんな…」

うちは孝志に背を向けたまま思いを言葉にした。

「…うち、やっぱり演劇出来んわ」

孝志がどんな顔したんかわからんけど、多分ビックリしてるとは思う。

悪いな、とだけ付け加えて、さっさと玄関の戸を閉めた。

彩にあんな風に思われとって、孝志が庇ってくれて…これ以上図々しくあそこにおる事なんか出来んわ。
もし続けたとしても、うち、きっと演技出来ん。

(アカンな、珍しく凹んで来た…)

自分の部屋に入って制服のままベッドに倒れこむ。

明日から何しよう?うち、実は暇人やってんなぁ…。



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