「そうゆう事ですか…。阿部さん」
「ん?」
うちは、出された紅茶に息を吹き掛け覚ましながら池成を見た。
「一つ、誤解をされてます」「誤解?」
「はい」
「何や…?」
「孝と持田の事ですが…」
あ、これ言っていいのかな?とか言いながら長い指で口を押さえてる。
「気になるやん…」
疑問符を散らしてるうちを見て、池成が軽く笑った。
「孝が持田に恋愛感情を抱いてるって事はないと思いますよ」
「何でや?」
まだ笑ってるわ。
「従妹だから」
「は?ダレが?」
思わず聞いてまう。
「従兄妹同士なんですよ、アイツら」
いー?
「最近、真鍋と上手くいってないんだとか。従妹だし、部も一緒だから結構相談受けてたらしいですよ」
はぁ…。そーゆう事やったんか。
何や、つじつま合うし。
一気に気ぃ抜けてもうた…。
池成が立ち上がった。
「明日も、顔出して下さいね」
「え?」
「だってもう、辞める必要なくなったでしょ?演劇」
「いや、彩の事もあるしな…」
「それは問題ないです。来ればわかりますよ☆」
そう行って手を振って店を出て行く。
くっそぉ、かっこえーな、池成。
しかも、うちの分までお金置いてってるし。
あれは絶対女慣れしとる!