寧ろ、時と場合によってはなかなか有難いものだと思うぞ。
「‥‥」
少しの沈黙の後にみかんは口を開いた。
「中学の中盤に入ってからなの。‥友達ができたの。」
意外だな。と思ったが口には出さなかった
「それまでは、学校に通うのが憂鬱でならなかったわ‥
…無視されて‥蹴られて…‥殴られて‥‥もう散々だった‥酷い時には縄跳びでいっ椅子に縛られて、うっ腕に‥」
様子がおかしい。もういい言うな。言わなくていい
肩で息をするみかんの背中を擦っていると、みかんは静かに口を開いた。
「担任とかにも相談してみたの。でも、取り合ってくれなかった。」
なんつう野郎だ。親には?
「言ってない、言えなかった。」
なんでだ。
「うち、貧乏だったし、生活費もギリギリのところで切り盛りしてたのよ。それにお母さんの事だもの、他の学校に転校させようと筈よ。
‥そうするとお母さん‥また無茶するから…‥」
まぁ事情とは誰にでもある。そのくだりで、みかんは色々と話してくれた。
しかし標的になった経由や理由には、一切心当たりが無いという。
先の友と言うのは赤松という奴らしいが、当然俺とは面識もなんもない
「‥そうね。あんたは別の‥」
別の中学だからな