世の中は平等…
そんなはずはない。
だってそうだろ…今だって、同じ年代の奴らにこんなにボコボコにされてる…
こいつら俺を殺す気か?…意識が薄れていく。
あ…もうだめだ…
あれ?…奴らの声が聞こえなくなった。ようやくやめてくれたか…
助かった…
「君!おい!君!」
目を開けると、全身を激しい痛みが襲った。どうやら病院のようだ…
「やっと気がついたか…まったく…」
白衣を着てないってことは医者じゃないな…なんだこのおっさんは?
「君があいつらを?」
「は?」
「よくこんなになるまで喧嘩したな…」
喧嘩??リンチのことか?
「名前は?」
「佐伯豊…」
「喧嘩の原因は?」
さっきから何を言ってるんだ?喧嘩じゃなくてリンチだろ?
「あの…喧嘩って?」
「頭を打って覚えてないのか?豊君、君は不良四人に大怪我を負わせたんだよ。四人共意識不明だよ…」
は!?意識不明は俺だ!あいつ等のせいで…
「思い出したか?今ご両親も来て下さるから、そしたらその後詳しく話を聞こう…」
男はそう言い残して病室を後にした…