同じ空の下1

カトリ  2007-06-15投稿
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君を初めて見たのは、高校に入学して間もない5月。


シトシトと雨が降る日。


君は、

君の大好きな、アイツに、とびっきりの笑顔を向けていた。



他の人には見せない顔。



それからも、いつも、違う角度からしか、見る事ができなかった笑顔。


正面から、見たい。



ずっと、そう思っていた。




《主な登場人物》

☆望月 周

高校3年。

バスケ部。

趣味は、女の子と遊ぶ事。
ただし、めんどうなのはお断り。



☆春日井 弘樹

俺の親友でバスケ部の部長。クラスも一緒。

俺とは、正反対で、真面目で、硬派で無口。
それでも、気が合う。…と俺は思っている。



☆朝倉 由奈

弘樹の幼馴染み。
同級生だけど、校舎は別。

地味だけど、かなりの美人。…だと俺は思う。



☆桜井 亜美

クラスメイトで、バスケ部のマネージャー。

俺の一番のお気に入り。
読者モデルとかやってる。




あの娘を初めて見たあの日から、何日かして、名前を知った。


「よく、渡り廊下の所で、休み時間話してる娘、彼女??」


バスケ部で、一緒だった、弘樹に、何気なく聞いてみた。



「…違うよ。幼馴染み。」


「どこのクラス??名前教えて☆」


不機嫌そうに、弘樹は答えた。


「特進クラスの朝倉由奈。」


続けて、もう一言。



「由奈には手、出すなよ。」



「…はいはい。」


初めて、話をしたのは、それから、2か月程してから。


廊下で、危なっかしく、教材を運ぶ、朝倉由奈を、弘樹が見つけた。


「どこまで、持って行くの?」


弘樹は、やけに、朝倉由奈に世話をやく。



「地学室…」



「悪い。周。これ、地学室持って行って。」


弘樹は、俺に言った。


「…へ?」


「俺、コイツ、保健室に連れてくから。頼むな。」


よく見ると、朝倉由奈は顔色が悪い。


「了解。」



「ごめんね。望月くん…」



初めて、声を聴いた。





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