ミサキさんを抱きしめ、自分に問い掛ける自分。
僕は・・・ミサキさんのことが好きなのか・・・?
まさか。
うん、ありえない。
ありえないんだ。ありえちゃ駄目だ。
でも、ここで僕の思考は途切れた。
なぜならミサキさんのアッパーが僕にクリティカルヒットしたからだ。
病院の天井はやっぱり白くて、前にもこんなことあったな、と思って。
ここで僕の意識は途切れた。
「軽い脳震盪ですね。少し休ませれば平気でしょう」
「あ・・・はい」
今、私の前には愛しい人が寝ている。
でも、寝ている原因を作ったのは私。
あのとき、つい殴ってしまった。
恥ずかしくって息が詰まりそうだったから。
「ばか・・・」
思わず声が出てしまった。
視界が霞む。
あんな風に抱きしめられたら、期待しちゃうじゃない。
期待なんてしても、何も意味がないのに。
涙が零れた。最近涙腺が緩い。それもこれも今目の前で寝ている・・・気絶しているこいつのせいだ。
でも、好き。
大好き。
いつからだなんて知らない。
ただ、好き。
ゆっくりと顔を近づける。
キス・・・してもいいかな。いいよね。
どうせ叶わないなら、ご褒美くらいくれたっていいわよね。神様。
顔を近づけて・・・・・・・
触れるだけのキス。
リクの唇は少し乾いていた。
私の顔に血が集まる。やっちゃった・・・。でも、嬉しい。
やっぱり私、リクのことが大好きだ。