「ほれ、出来たで!」
鏡に映る自分の顔を見て、
「凄い、阿部やん!天才!?」
歓喜の声を上げてしまった。
凄い…女の子に見える。
「水城は顔のパーツがはっきりしてるから、濃い色を避けて、マスカラもロング効果のある物を選んだんや。で、グロスはこれ!」
阿部やんからローズピンクのグロスが手渡される。
「ほんのり色身のあるグロスでセクシー可愛いやろ?(笑)」
確かに…しつこい感じがしないし。
か、可愛いかも(照)
「阿部やん、ありがと!」
嬉しくて柄じゃなく、はしゃいでしまう私。
「けど、それで終わりとちゃうで。これらをマスターせな」
「そっか…夏休みまでに頑張るね!」
頷く阿部やん。
その後、少しお茶をしてから、家路についた。
化けた娘の姿に母親が、目を丸くしてたのは言うまでもない(笑)
「明日から夏休みだね」
水嶋君がいつものように茶髪を揺らし微笑む。
部活を終え迎えに来てくれた彼と二人で下校。
私はそれだけでも、幸せだったりする。
夏休みはきっと部活で忙しくなると思うけど休みだってちゃんとあるし、今より一緒にいられる時間が増えるよね♪
ふと隣を見ると、にやけた私を水嶋君が見ていた。