いけませんね。また話がずれてしまいましたね。
そうです。‥遭遇したのですよ!
何せ248年前の事で、しかもその時は誰もが混乱していました。遺されていたデータによりますと、双翼を除けば人間によく似た姿。人語を理解し喋る、性格は温厚極まり大らか、と迚も信じ難い事が記されていました。
今となっては、常識に収まりすぎて空気ですが、当時は全員が度肝どころか魂を抜かれた様に呆気に取られるだけでした。
第一遭遇者は今まで散々取り上げてきた上にほったらかしにしといた調査隊の一人です。
発見者は‥そうですね…Aさんと名付けましょう。
Aさんは調査隊の隊長でした。
隊長は調査隊員の安全を確保する義務があります。なので、常に先頭を歩き路を確認しながら進行せねばなりません。
Aさんもやはり同じやり方で隊を導引していました。
一歩々々慎重に足場を確認していたAさんですが、そこは人間です。足を踏み外してしまい転落してしまいました。
調査隊は進行を中止し、隊長を探しましたが、結局は見付からず、副隊長を先頭に引き返しました。
――翌明、驚く可き事にAさんは無傷で帰還したのです。
思わぬお客さんを連れていましたが。