「お久しぶりです、おじさん!」
おお、ラトが敬語を使うのを始めて見たかもしれないぞ・・・
「久しぶりだね、ささっ、こっちだ。着いてきなさい。」
ラトの知り合いなら大丈夫だろう。
そう、考えていた。
この後に起こる
哀しい真実など、考えもせずに。
「ここまでくれば、もう大丈夫だろう」
受付のおじさんはそういうと、ラトに「じゃ仕事があるから」と言い残し、行ってしまった。
「ラト、大丈夫なの?こんな微妙な場所で」
とても寂れた裏路地。僕たちの他には誰もいなかった。