「どう思う?」
「また何でそんな訳ありの部屋借りてんだよ!」
「だって家賃安いしいい部屋だったし…」
「俺から見ると、その手形ッていうのがまだくっきり残って見えるぞ…。」
「…えっ!まぢでッ!?」
友達はすごく霊感が強い体質で、相談にのってくれるにはとても心強い存在だった。
「お前、すぐに引っ越せ。」
「……!?やっぱり?」
そう言われるような気がしていた。
「でもよ〜俺今週、用事で忙しくてすぐに引っ越せないしさぁ。
どうすりゃいいか…」
「お前さぁ〜まだ半分信用してねぇだろ?」
言われて気が付いた。
確かにそうだった。まだ100%信じる事が出来ない。
それに家賃が安くていい部屋というキーワードが頭の中を与儀って、引っ越しという言葉にしっくりこない。
「お前さ、最悪な事態になってからじゃ遅いんだぞ?」
「分かった。考えとくよ。」
さすがに最悪な事態になるのはごめんだった。
「後、明日お前んちに行っていいか?」
「ッえ?」
「やっぱり危ない気がするから見に行こうかと思って。」
「いいけど…そんなにヤバイのか?」
「……。とりあえず俺が行くまで絶対にその和室に入るなよ。」
友達は質問に答えてくれなかった。
つづく