呆れ顔で続ける沢木先輩。
「そんな事言われて、わかりましたって言う訳ないでしょ?」
ぐ…。
そーかも。失敗?
「で、でもっ…」
私が言い掛けた時だった。遮るように悪態を付く。
「だいたい、和也クンはアンタを相手にしないよ」
「わからないじゃないですかっ」
ムッとして言い返す。
「だって、彼、処女は食わない」
へ…。
口を開いたまま、ぽかーんとする事、数秒。
処女…食わない…。
て、事はもしや…。
「真鍋先輩と寝たんですか!?」
「当たり前じゃん」
髪を掻き上げて即答。
う、羨ましい!…じゃなくて、私の真鍋先輩を〜!!
「もう、いいでしょ?」
立ち去ろうとする沢木先輩。
私は全力で引き止めた。
「ダメです!別れるって言ってくれるまで放しません!」
彼女の腕をぐいぐい引っ張る。
「ちょ、ちょっとアンタ止めなさいよっ!ウザいって」
「あなたより、私の方が先輩の事愛してるんですっ。愛の為、放しません〜!」
「いい加減にしなっ」
バシッ!
(イタッ!)
思いっきり鞄で殴られて、弾みで手を放してしまった。
そして、胸ぐらをぐぃっと掴まれる。
「今度、こんな事したら、承知しないよ!」