キィー、バタンッと奇妙な音をたててドアが開き、ゆっくりと玄関に足を踏み入れる。
「…!?寒ッ…」
部屋は異様に寒い。
それでも、気にしないようにした。
そして、しばらくリビングで時を過ごした。
何もせずに。
ただ布団に潜って深い眠りにつくのを待った。
だが、深夜がきてもなかなか眠れなかった。
深夜の2時30分。
眠りにつけなかった俺はとうとう布団から出て煙草をふかした。
「…はぁ〜…眠れねぇ…」
その時だった。
ゾクッと寒気がした。
和室で感じた寒気と同じパターンだった。
「…な…んだよ…」
恐怖で声が震えている。
そして、和室から何か物音がする。
カリッ…カリッ…
何か爪で引っ掻くような音が…。
それが段々耳に響いてくる。
気味が悪い。
そう思いすぐにふかしていた煙草を消して布団に潜った。
だが、その後もその音は
ガリッ
ガリッ
ガリッ
と酷くなる一方で収まらなかった。
その日は恐怖で怯えながら朝を迎えた。
つづく