ピンポーンとインターホンが部屋中に鳴り響く。
その瞬間、恐怖と寒気が一気に消えていった。
「来んの遅ぇよ!」
バンッと玄関のドアを開けると友達が立っていた。
「別に遅くないじゃん…まだ朝の10時だし。」
「ずっと待ってたんだよ。」
「…てか、お前…目の下のクマ…」
「寝てないからな…」
「やっぱり…そんなに酷いか」
「やっぱりッて…」
疲れた顔で友達を見つめる。
「…昨日、だいたい感じたんだよ。それより中入っていいか?」
「ぇッ…ああ…。」
玄関に入れた瞬間、友達の顔色が悪くなっていった。
「大丈夫か?」
「…あぁ、大丈夫。」
そして友達をリビングに案内する。
「ココがリビング。んでその隣が…」
「ココか…」
「お前が来てくれて安心したんだぜ。朝までずっと…」
「爪で何か引っ掻く音…?」
「…ッえ…」
「今、聞こえる。」
「…!?…」
やっぱり友達はさすがだ。
居てくれると心強い。
だが、?あの音?がなおも続いているということは…
今、和室に何か居る!?
「…どうすんの?」
寒気がする。
「…今すぐにでも引っ越せばいいよ。それが一番いい。」
「…そだよな…」
今なら引っ越しという言葉にピンとくる。
つづく