光と影

笹倉 直子  2007-06-23投稿
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   プロローグ

いつもと変わらない朝の通勤時間。真琴は少し小走りに駅に向かっていた。まだ澄んだ朝の空気がひんやりと柔らかい彼女の頬を刺す。
町はいつもより色付き始めていた。アスファルトには、散ったばかりの小さな花びらが静かに、静かに落ちていく。 真琴がそれを通るのを待つと、それはふわっと舞い上がる。そしてまたどこかでふわっと‥幾度となく繰り返されるこの光景にも、人々はまるで無関心だ。それよりも皆急ぎ足で、目的の場所へと向かっている。彼女もまたその一人に違いなかった。やがて彼女の姿は雑踏の中へと次第に消えて行った。すると突然、彼女を追うかのように、高く、高く、遠い空には、不気味な闇がうねりを上げて渦を巻き始め、それはやがて淡い色の絨毯に暗い影を堕とした。すると瞬く間に影の部分は腐り果て、底無し沼のようなブラックホールが開くと、耳をつんざくような不気味な笑い声が遠くの空までこだましていた。
さぁ、物語は静かに始まってしまったのだ。誰にも止める事のできない物語が‥。選ばれたあなたの手によって、このページが開かれたこの日から‥。

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