誰もいない部屋。
後ろに気配を感じて
振り返る。
そこにいたのは
斧をもった白髪のおばあさんだった。
なんて事だ
「あらあら、勘が鋭いわねぇ」
なにくわぬ笑顔で
さらっと言ってのけたおばあさん。
「なぜ、ラトを!ラトをどこへつれてったんだ!」
おばあさんはシニカルな笑みを浮かべながら、笑った。
「それを知る必要はありませんよ。だってあなたは、ここで死ぬんですもの!」
笑顔のまま斧を振りかぶるおばあさん
その攻撃をかわしながら、彼女に一度だけのチャンスを与えた。
「なぜラトをさらったんですか?」
「あたりまえじゃない!」
「この戦争はっ!あの子のせいで起こったんですもの!」
なん・・・だと・・・
「あの子さえ、あの子さえいなければ!」