「お前も手伝ってくれよ!」
早く荷物を運び出してこの和室から出たかった。
「…あぁ。」
黙っていた友達は一緒に荷物を運んでくれた。だが、和室を見渡しては荷物を運ぶのを止めてしまう。
そんな友達を見ると恐怖が込み上げてくる。
「…ッなぁ押し入れの上の荷物出すからさ、ちょっと運んでくんね?」
「あぁ。いいよ。」
押し入れの上の棚のようなスペースに手を伸ばして荷物を取りだそうとしたが、なかなか届かなかった。
「届かねぇは。ちょ…椅子取ってくる。」
そう言ってリビングに椅子を取りに行った。
その時。気付けば良かったのに俺はまったく気付かなかった。
友達の顔が青ざめていた事に…。
椅子を持って和室に戻り椅子を台に荷物を取り出そす。
「…ほぃッ。……。
おぃッ!ボーッと突っ立ってんなよ。」
荷物を渡そうとするが、友達はその場でボーッと突っ立っている。
友達の様子からまた恐怖を感じる。
「…ッあ。わりぃー。」
気付いたかのように、友達は荷物を運び始めた。
そしてすべての荷物を運び終えた。
「手伝ってくれてサンキュー!」
「…ぉう。」
「てか、押し入れの上の中ッてなかなか広いな。人、1人でも入れそ。」
中を初めて見渡した。
つづく