見渡すかぎり砂漠がつづくこの黄金の海を一人の旅人が行く。
マントのフードから隠れ見える整った顔立ちと透き通る青い瞳、そして栗色の髪。年は16くらいであろうか…。
服装や携帯品、そしてこの熱さにも関わらず表情一つ変えないことから、その若さからは考えられないほど旅慣れていることが解る。
「居るんだろ?隠れてないで出てくれば?」
少年は立ち止まって言った。すると砂の中から4人の男があらわれた。
いずれも所々破れた服を纏い、ナイフやボウガンをちらつかせている。明らかに旅人を狙う盗賊だろう。
「良くわかったな兄ちゃん。さ、出すもの出しゃ何もしねえよ」
盗賊のリーダー格とおぼしき男が下品に人差し指と親指でマルを作ってみせた。右手には旧世紀の遺産である銃が握られていた。
「………」
続く