そういえば朝から具合が悪かった。気持ちの問題かと思ったんだけど…本当に病気だったとは。
「…ごめんシュウジ。お見舞いにきたのに、逆に面倒かけちゃって…」
シュウジのベッドに寝ながら謝ると、冷やしたタオルを私の額に乗せてシュウジは微笑んだ。
「なに言ってんだよ。エリカが熱出したのオレのせいじゃん。昨日雨降ってんのに、傘も貸さないで帰しちまったから…。オレこそごめんな?」
…なんでシュウジが謝るの?
シュウジ悪くないよ。
なんでそんなに優しいの…だめだよ、諦めらんなくなっちゃうよ…。
「…なんで泣くんだよ」
シュウジに言われて気付いた。無意識に流れていた涙をシュウジの手が拭う。その手のぬくもりが、その優しさが私を更に泣かせるってこと…わかってないんだろうな。
「…なあ、エリカ…いつからオレ好きだったの?」
ためらいがちに問い掛けてくる優しい人は、切なげでどこか悲しそうな表情だった。
「同じクラスになってすぐ…席が前後になったじゃん。あの頃からかな…」
「…そっか……」
沈黙。熱のせいで頭が回らない。どうしてそんなことを聞いてきたのか、とか切ない瞳の理由とか。
ただシュウジが側にいてくれてるのが嬉しかった。
しばらくしてシュウジが口を開いた。予想もしなかったことをシュウジから聞かされる。