葵は私物を拾い終えると、気疲れからか、元居たところでことん、と落ちるように眠ってしまった。
翌朝、まだ薄暗い空から真っ白な花びらがひらひらと天から降り注ぐのがなんとなく見えた。朝焼けのゆるいオレンジと青の空と灰色の雲と相まってなんとも美しい。
(あ…今日の天気は……)…ん。花?
花って降るか?
「いや、雨じゃないんだから!」
花なんて降るはずがない。そこで目が覚めて飛び起きた。そして絶句した。
いや、うん、なんだこれ。四人のカラフルな頭の子供が花を抱えて、葵を覗き込んでいた。